温め続けたサービス、fukuenをいまリリースした理由と想い

「服と、ヨリを戻そう。」をテーマに衣類を染め直す新サービス「fukuen(フクエン)」をリリースしました。

サービス概要はこちら

 

fukuenの立ち位置としては、2018年から運営する「服のたね」に続く

服との付き合い方の大切な企画・第二部となります。

 

デニムブランドを生業としている以上、単に服をつくって届けるに留まらず、
生産過程や流通販売過程、使用についても自分たちなりの意志が宿った企画を提案したい。

僕らの理想とする、服のつくられ方、届けられ方、使われ方を
こうした機会を通じてたくさんの人と共有したいと常々考えています。

 

実はfukuenは元々2018年にほぼ完成しており、2年前の今の時期にリリースする予定でした。

ただ、諸々の理由やタイミングのこともあってずっと寝かせられており、
このまま世に出ることなく眠ってしまうのでは、、、といった心配をしておりました。

そもそもインディゴ染料を用いた染めの機会はリアルのイベントで定期的に開催していて、
fukuenのように服を送っていただく形ではなく、お客さん自身に染めていただく形としては
2016年から全国各地に足を運んでやってきていました。

そのため、fukuen無くとも服を染めたい方への要望には応えられているつもりでいたのです。

 

機が変わったのは言うまでもなくコロナ禍の影響。

2021年早々に発令された2度目となる緊急事態宣言は
宿泊施設「DENIM HOSTEL float」を運営する僕らに重くのしかかりました。

もちろん僕らだけでなく、普段デニムの製造をお願いしている工場さんたちも状況は同じ。
明らかにこれまでとは違う形に進んで行かなかればどうにもならないといった所まで来ています。

 

緊急事態宣言発令を受けて、いま一度fukuenのポテンシャルを見直しました。
リアルのイベントを実施することも難しく、みんなが家にいる時間も長くなっている。

今こそ、1人ひとりが自分と服の関係性を見直すのに適した時期はないだろうと。
そう考え特急で準備を再開しました。

fukuenは、「服と、ヨリを戻そう。」をテーマにしています。

日々の暮らしの中で、新しい服と出会うこと、
そのワクワクやドキドキと同じくらい
もう一度大切にしたい服との縁が再び結ばれることを楽しんでもらいたい。

そんな願いを込めて企画を考えています。

なので、服を送っていただくみなさんには、
最初に「fukuen届」という服との思い出を綴っていただくフォームを記入してもらうことになっています。

服との思いを記すことは持ち主にしかできない特別な行為であり、
何より染まった服との関係性を豊かにしてくれると考えています。

2021年1月11日のリリース日。二十歳にとって忘れることのできない1日となったこの日は、
fukuenのメインビジュアルを務めてくれたイトウハルヒさんの誕生日でした。

 

それを知った時に僕は直感的に「これも何かの縁だなあ」と感じましたし、
そんな風に縁を縁と思える心意気を大切にしていきたいと思いました。

 

昨年リニューアルの際に制定したITONAMIのビジョンは

「誇り」から「縁り」が伸びゆく世の中へ

です。縁りは「ゆかり」と読みます。

たった1人誰かの強い意志、誇りが誰かに伝わり、縁が結ばれてゆく。

fukuenにもしっかり反映されているぴったりの言葉だと
ビジョンを見直して改めてしみじみ思います。

 

人が人らしくある以上、出会いと別れはある種の必然。
ときめく服に出会い、かつては喜んで袖を通していても
いつしか、手持ちの中で優先度の低いモノになってしまう
ということも避けられないことなのかもしれません。

ただ、そこで手放してしまうのではなく、もう一度向き合ってみることも
楽しみとして選択肢の一つに考えてみても良いんじゃないか。
fukuenはそんな具合の提案です。

服とともに過ごした時間はそれ自体がかけがえのないもの。
それを良しとするかは持ち主の心持ちが全て。

fukuenを通じて、もう一度大切にしたい服を、想うことができますように。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

◆fukuen
サイト:https://ito-nami.com/pages/fukuen
Instagram:https://www.instagram.com/fukuen_jp/
Twitter:https://twitter.com/fukuen_life